三井住友建設が開発した“橋梁点検”用のiPadアプリ、ペーパレスで省力化を実現現場管理

三井住友建設は、橋梁点検を対象に作業の効率化を目指すiPadアプリ「Maplet SM(Survey Maintenance)」を開発した。

» 2019年03月12日 11時00分 公開
[BUILT]

 三井住友建設は、日本コンピュータシステムと共同で、橋梁(きょうりょう)点検における作業全体の効率化と、点検データを有効活用するためのデータ蓄積を実現するiPadアプリ「Maplet SM(Survey Maintenance)」を開発した。

iPad1台で橋梁点検の準備・点検・記録が可能に

 同社は、橋梁分野における国際規格ISO 55001(アセットマネジメントシステム)の認証を取得するなど、点検、診断、処置(補修・補強)提案、長期メンテナンス計画やそれらに関する技術開発に取り組んでいる。

 これまでに4500件を超えるプレストレストコンクリート(PC)橋梁を建設。管理者と協力をしながら、長年に亘って自社施工の橋梁に対する自主点検を実施してきた。このアプリを導入することで、iPad1台で準備・点検・記録の作業が可能となり、橋梁点検業務の効率化で生産性を向上させるとともに、継続的なデータ管理とその活用が容易になるとしている。

「Maplet SM」を用いた橋梁点検作業 提供:三井住友建設
「Maplet SM」の表示画面 提供:三井住友建設

 iPadアプリMaplet SMは、対象橋梁の基本情報、図面や過去の点検記録などの社内サーバで管理するデータをダウンロードするだけで、事前準備が完了する。紙による資料のコピーなどの煩雑な作業が無くなり、準備にかかる作業時間が短縮される。

 点検作業自体も、各種データの閲覧と点検結果の記録(メモ入力、写真撮影)を画面上で行うため、ペーパレスの点検作業で省力化が実現する。iPadに搭載されているGPS機能を活用することで、現在位置と点検箇所を図面上で容易に確認できる。

 さらに、点検結果は記録データを社内サーバなどに登録するだけで、自動的にカルテ作成が行われ、これまで手間だった点検後の資料作成や写真整理などに労力が割かれずに済む。

 サーバに一元化して蓄積されるデータを活用すれば、劣化の傾向などの分析やこれを踏まえた対策の検討などに役立つ。

 Maplet SMは、現場の点検作業者や橋梁の維持管理に携わる企業を対象に、日本コンピュータシステムを介した外販を予定している。

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