BEMS補助金の申請件数が1000件に迫る、アグリゲータによって大差:補助金
夏の節電対策が本番を迎え、BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を導入する企業が広がっている。政府が5月から開始した補助金制度の申請件数は開始2か月で936件に達した。BEMSの提供と補助金の申請を代行するアグリゲータは23社あるが、実績で差が開いてきた。
5月7日から申請の受付を開始したBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の補助金制度で、開始から2か月の7月6日時点の申請件数が発表された。補助金の対象になるBEMSを提供できるアグリゲータ23社の合計で申請件数は936件になり、まもなく1000件を突破する勢いだ。
開始から1か月の6月8日時点で463件だったことから、ほぼ同じペースで伸びている。補助金を実施する2年間の目標が1万件であり、このペースで増えれば目標を達成できる状況だ。
現時点ではアグリゲータによって申請件数に大きな差がついている。BEMSの補助金は導入企業に代わってアグリゲータが申請を代行することになっており、23社のアグリゲータごとの実績がひと目で分かる(図1)。
全体の半数近くを占めているのがエナリスで、1か月間で200件以上の申請を増やした。2番手の洸陽電機も一気に120件の増加を果たした。9番手で申請件数が7件のイーエムシーと合わせて、中小企業を中心にBEMSの導入事例を積極的に増やしている。
このほかに目立った動きがあったのは、日本IBMとイオンディライトの連合チームだ。1か月間で62件の申請を増やしている。大手メーカー系のアグリゲータでは日立製作所が38件の増加、パナソニックESエンジニアリングも28件の増加で、着実に導入事例を拡大している。
23社のアグリゲータのうち、まだ実績がないのはサービス開始が10月と遅い日本IBMとNECの連合チームを含めて4社になった。これから9月までが夏の節電対策の時期であり、1か月後の8月上旬までにどれだけ申請件数が伸びるか注目される。
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