三菱重工が大型カスタム蓄電池製造事業者に、数百kWh級の超大規模製品まで対応:蓄電・発電機器
経済産業省が進めている、工場やオフィスビルで利用する大型カスタム蓄電池向けの補助金制度が定める製造事業者に、三菱重工が加わった。独自のリチウムイオン蓄電池を活用して、蓄電容量が数10kWhの製品から、数百kWhにもなる超大規模な製品を製造、出荷していく。
経済産業省の平成23年度「定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業費補助金」事業を運営している一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)は、大型カスタム蓄電システムの製造事業者として三菱重工業が加わったことを明らかにした。三菱重工業に、蓄電容量10kWh以上のリチウムイオン蓄電池を注文し購入した法人は、機器の購入にかかった費用と設置工事の費用の1/3に当たる補助金を受け取れる(上限は1億円)。ただし、注文した蓄電システムの内容や、設置工事についてSIIが審査し、適切であると認めたものに限る。
三菱重工業は独自開発のリチウムイオン蓄電池「MLiX」(図1)を利用した大規模リチウムイオン蓄電システムを製造、出荷してきた実績がある。具体的には、ハイブリッドフォークリフトや電動バスの電源として製品を提供している。
ほかにも、三井不動産レジデンシャルのマンション「パークシティ国分寺」に、蓄電容量40kWhの蓄電池を納入している。パークシティ国分寺では、主に非常用電源として三菱重工業の蓄電システムを利用している。
さらに大規模なシステムとしては、「コンテナ型大容量蓄電システム」が挙げられる。長さ約12mのコンテナに2000個以上の蓄電池を詰め込んだ、蓄電容量408kWhという超巨大な蓄電システムだ(図2)。このシステムの最大出力は1MW(1000kW)。一般的な家庭100世帯に最大で8時間電力を供給できる。コンテナを増設することで、蓄電容量も最大出力も拡張できる。
コンテナ型大容量蓄電システムは、風力や太陽光など発電量が気象条件によって変動する再生可能エネルギーを安定して利用できるようにするという用途や、屋外イベントや工事現場で利用する移動電源といった用途に利用できるという。
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