200MWまでの風力発電を連係、北海道から東京へ送電可能に:自然エネルギー
広大な土地を有する北海道で風力発電所の建設計画が相次いでいる。ただし風力による発電量は大きく変動するため、電力会社の送配電ネットワークで許容できなくなる可能性がある。北海道電力は東京電力と共同で、風力の余剰電力を北海道から東京へ送電する実証実験を開始する。
すでに北海道は全国の都道府県の中でも風力発電所の数が群を抜いて多く、さらに大規模な建設計画が目白押しの状態にある。広くて風の強い場所が数多くあるためで、今後ますます風力発電による電力供給が盛んになっていくことは確実だ。
ところが問題は、風の強さによって発電する電力量が大幅に変動してしまうため、その変動幅を電力会社の送配電ネットワークで調整できなくなる可能性がある。そうなると、せっかく発電した電力を利用できなくなってしまう。
そこで北海道電力は風力発電による電力を東京電力のネットワークに送電するための実証実験を開始することにした。風力発電所からの電力量に応じて、まず東北電力との間にある連係線を使って東北へ電力を送り、さらに東北の需給状況によって東京へ電力を送る(図1)。それでも電力が多くなる場合には、北海道と東北にある風力発電所の出力を制御する。
東京電力が販売する電力量は北海道電力の約10倍、東北電力の約4倍あるため、それだけ電力量を調整できる幅が広い。北海道や東北で消費できない電力を吸収できる余地が大きいわけだ。北海道で再生可能エネルギーによって発電した電力を、大量消費地の東京で有効活用できることになる。
北海道電力は合計200MW(メガワット)までの風力発電を対象に、2016年3月まで実証実験を続ける予定だ。その対象として建設計画中の5つの風力発電所を選定した(図2)。5か所の合計で136.5MWになり、さらに新しい風力発電所も追加する。2011年8月の時点で北海道電力が送配電できる風力発電の許容量は360MWで、新たに200MWを加えると1.5倍以上の規模になる。
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