冷却に外気を活用、空調電力を削減したデータセンター:省エネ機器
大量のサーバを冷却するために外気を活用して、空調機器にかかる電力を大きく削減したデータセンターが稼働を開始した。外気を積極的に利用する構造にした結果、1年間のうち90%は外気だけでデータセンター内を冷却できるようになった。
ヤフーとそのグループ会社であるIDCフロンティアは、福島県白河市に建設中だった「白河データセンター 1号棟」(図1)が完成し、稼働を始めたことを明らかにした。延べ床面積は約8900m2で、およそ600台のサーバーラックを収容する。
白河データセンター 1号棟にはIDCフロンティアが福岡県北九州市で運営しているデータセンター「アジアン・フロンティア」が採用している、外気を積極的に活用する空調システムを導入する。さらに、IDCフロンティアがアジアン・フロンティアの運営で得た新しいノウハウも投入した。
例えばデータセンター内のサーバが排出する熱による上昇気流も利用して、データセンター内の空気の流れを作る。コンピュータ制御の空調機器を導入し、外気による冷却、内部の空気の循環などを最適に制御する。この結果、1年間のうち90%は外気冷却でデータセンターを冷やせるようになった。データセンターの電力効率を示す基準であるPUE(Power Usage Effectiveness)の値を1.2以下に抑えることを目標にしているという。
ヤフーとIDCフロンティアは、さらに大きな需要が見込めると判断して、白河データセンターの2号棟を建設することも決めた。2号棟も1号棟と同じく、およそ600台のサーバーラックを収容できる規模になる。2012年10月に着工し、2013年9月末の竣工を予定している。
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