空港をメガソーラー用地に転用、最大出力8.5MWで2014年春に稼働開始:自然エネルギー
鹿児島県枕崎市は、市が運営している空港をメガソーラー用地として利用することを決め、オリックスと九電工をメガソーラー建設、運営を担当する事業者として選定した。
建設予定地は枕崎市が運営している枕崎空港。1991年1月に小型機専用空港として開港したが、航空機の利用者は予想を下回り、2003年にはすべての航空会社が撤退した。その後も維持管理を続けてきたが、空港利用者はほとんどなくなっていた。運営管理のために市の予算から費用を捻出してきたが、2011年には開港以来からの累積歳出超過額が約8億3000万円に達していた。
市は空港を廃止して別の用途に使うことを考え、2012年9月にメガソーラー用地として業者に貸し出すことを発表した。多数の応募の中から事業者として選ばれたのがオリックスと九電工だ。両社はこの事業を担当する新会社を共同出資で設立する。出資比率はオリックスが70%で九電工が30%。
計画では約12万9000m2の用地に5万枚以上の太陽光発電パネルを設置する。最大出力は約8.5MW(8550kW)で、年間発電量は986万kWhと見込んでいる。2013年7月に着工し、2014年3月に稼働を始める予定だ(図1)。
オリックスは、枕崎空港が舗装済みで平坦であることから、メガソーラー建設が容易になると予想している。建設が済んだ後も、雑草が生い茂ることがないので、管理の負担が減るというメリットがある。日射時間は長く、日射量も多いため、発電量も期待できるという。
枕崎市はメガソーラー用地を貸し出すことで、土地の賃料、メガソーラー設備にかかる固定資産税など年間8500万円の収入を得られる。
オリックスは枕崎市のほかに全国16カ所にメガソーラーを建設する予定も明らかにした。17カ所の最大出力の合計は81.6MW(81600kW)となる。すべて、2014年末までに稼働を始める予定だ。
17カ所の稼働が始まった後もオリックスはメガソーラー建設を進め、全国合計の出力を100MW、200MWという規模まで成長させていきたいとしている。ただし、固定価格買取制度における太陽光発電の買取価格の動きや、太陽光発電パネルの価格低下のペースも見ながら進めていくとしている。
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