ニュース
水力発電所の余剰水力で小水力発電:自然エネルギー
国土交通省東北地方整備局は、宮城県柴田郡川崎町に立地する多目的ダム「釜房ダム」に小水力発電設備を設置する工事を始めたことを明らかにした。隣接する東北電力の水力発電所に流している水のうち、余って捨てている分を利用して発電する計画だ。
釜房ダムは治水、かんがい、水道供給、水力発電など、多様な役割を果たしているダムだ(図1)。仙台市など宮城県市街の水がめとして大きな役割を果たしており、仙台市の水道事情を左右するダムだ。
小水力発電には、ダムの下流にある2つの水力発電所に流す水を利用する。釜房ダムの下流には東北電力の釜房発電所と碁石川発電所があり、釜房発電所はダムから水の供給を受けて発電し、碁石川発電所は釜房発電所から流れ込む水を利用して発電している。
しかし、碁石川発電所は釜房発電所から流れ込む水すべては受け入れられない。それぞれの発電所の1秒当たりの水流量は釜房発電所が6トンで、碁石川発電所が4.17トン。従来は釜房発電所から碁石川発電所に水を流す前に、余る水(1秒当たり1.83トン)を捨てていた。この水を小水力発電に利用する。
関連記事
- 水力発電に再び脚光、工場や農地で「小水力発電」
「小水力発電」が注目を集め、全国各地で小規模な設備の導入が進み始めた - 小さい落差でも大出力、日本最大規模の小水力発電
水流の高低差が小さくても利用できるらせん水車で発電する機材を設置 - 小水力発電で全国トップ、市民参加型の太陽光発電所も拡大中
「小水力発電」の導入量が全国で第1位 - 日本のエネルギー市場を変革する、新制度がスタート
再生可能エネルギーの固定価格買取制度が7月1日から始まった
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.