熊本県西岸のメガソーラー、東京都出資のファンドから資金調達:自然エネルギー
熊本県葦北郡芦北町の海外沿いで最大出力8MWのメガソーラーの建設が始まった。総事業費はおよそ30億円にもなるが、その一部は東京都も出資しているファンドから調達する予定だ。
メガソーラー建設予定地は葦北郡芦北町大字女島(めしま)。女島埋立地とも呼ぶ場所だ(図1)。海岸沿いの9万5000m2の土地に、出力が240Wの太陽光発電パネルを約3万3000枚設置する。最大出力は8MWとなる予定。発電した電力は全量九州電力に売電する。
この事業の特徴は、東京都の呼びかけでできた投資組合からの出資を仰ぐ点にある。東京都は2012年4月から「官民連携インフラファンド運用事業者」を募集し、スパークス・グループを事業者として認定した。スパークス・グループは認定を受けて「スパークス・官民連携グリーンエナジー投資事業有限責任組合」という投資組合を立ち上げた。この投資組合には東京都も15億円出資している。額は不明だが、芦北町も出資している。
スパークス・官民連携グリーンエナジー投資事業有限責任組合にとって、今回の芦北町のメガソーラーへの出資は投資組合設立以来初めての出資となる。
芦北町は事業計画から運営コンサルティングをコア・テックに委託する協定を結んでいる。コアテックはスパークス・グループと共同出資で運営会社となる「芦北メガソーラー合同会社」を設立する。スパークス・グループは合同会社におよそ10億円を出資する。コア・テックとスパークス・グループは売電収入の中から利潤を得る。
建設開始は2013年2月。竣工は2014年12月の予定だ(図3)。年間発電量はおよそ8万MWhと見込んでいる。
メガソーラー建設を希望する自治体にとっては、このようなファンドを利用することで、建設に必要な資金を調達できる上、ファンドに出資しておけば売電収入に応じて利益を得られる。あまりに巨額な資金をファンドに頼ってしまうと、売電収入がほとんど返済に回ってしまうが、建設計画と規模によっては、このような方法を考えても良いのではないだろうか。
関連記事
- メガソーラーへの投資で社会貢献、売電収入を地域に還元
龍谷大学が社会貢献を目的として出資した資金で太陽光発電所を建設 - 福島県に東北最大のメガソーラーを建設、2014年に最大18MWで稼働開始
小名浜港近くの未利用地を利用し、最大出力は18MWになる見込み - 最大出力は77MW、日本最大級のメガソーラー建設計画が動き出す
愛知県田原市の三河湾沿岸に、日本最大級のメガソーラーを建設 - 日本のエネルギー市場を変革する、新制度がスタート
再生可能エネルギーの固定価格買取制度が7月1日から始まった
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.