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値上げする関西電力から新電力に切り替え、宝塚市の36校で4月から電力供給サービス

兵庫県の宝塚市は関西電力が電気料金を値上げする4月1日から、市立の小中学校など36校の電力供給契約を新電力の伊藤忠エネクスに切り替える。年間の電力使用量は668万kWhを予定しており、伊藤忠エネクスの落札金額は関西電力の値上げ後の料金よりも確実に安くなる。

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 全国各地の自治体で脱・電力会社の動きが活発になっている。4月1日から電気料金を値上げする関西電力の管内でも、兵庫県の宝塚市が市内の学校で使用する電力の供給契約を新電力の伊藤忠エネクスに切り替えた。

 対象の学校は全部で36校にのぼる。従来は関西電力から高圧小口契約(50kW以上500kW未満)で電力の供給を受けていた。関西電力は4月1日から高圧の電気料金を1kWhあたり2.72円引き上げることを発表しており、高圧小口の標準的なケースで13.4%の値上げになる。宝塚市は新電力に切り替えることによって値上げの影響を抑える。

 伊藤忠エネクスが落札した金額は約1億5884万円で、宝塚市の入札予定価格の範囲内に入った。関西電力の電気料金との差額は不明だが、高圧小口の一般的なメニューでは現行の基本料金が1kWあたり1685.25円で、電力量料金は1kWhあたり夏季が12.08円、その他季が11.06円である。

 宝塚市の36校の契約電力(2012年11月時点)を合計すると4375kWになる。電力使用量の合計は夏季が182万9400kWh、その他季節が485万2100kWhを予定している。これをもとに関西電力の値上げ前と値上げ後の電気料金を標準価格で計算すると以下のようになる。

 値上げ前:1億6423万9003円

 値上げ後:1億8241万2683円

 伊藤忠エネクスの落札価格は関西電力の値上げ後の電気料金と比べて2357万円も安くなる。ただし高圧の電気料金は自由化されているため、実際に宝塚市が関西電力と契約していた金額はもう少し低くなる可能性がある。それでも新電力への切り替えによって大幅にコストを抑制できることは間違いない。

 今後も電気料金を値上げする地域を中心に、自治体が新電力に契約を切り替える動きは広がっていくだろう。

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