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太陽光パネルに自走式ロボット、水を使わずに砂塵を除去:自然エネルギー
太陽光発電システムが広がるにつれて、予期せぬトラブルで発電量が低下するケースが増えてきた。そのひとつの原因は太陽光パネルの汚れだ。香川大学発のベンチャー企業が太陽光パネルの表面を掃除する自走式のロボットを開発した。特殊な回転ブラシでパネル表面の砂塵を除去する。
日本でも家庭用の掃除ロボットが普及し始めたが、同じような自走式で太陽光パネルを掃除するロボットを香川大学発のベンチャー企業が開発した。ロボットがパネルの表面を移動しながら、回転ブラシを使って表面に付着した砂塵を除去することができる(図1)。
特に雨が少ない乾燥した地域で効果を発揮する。水を使わずに回転ブラシだけで清掃する方式を採用したのは、パネルの表面に水が残ると発電効率を低下させる原因になるからである。パネルの設置角度によっては、水が流れにくくなることを考慮した。
ロボットは内蔵のバッテリーで最大2時間の清掃が可能。海外の乾燥地域で実証実験を実施したところ、手作業で清掃した場合と比べて同等以上に発電能力が回復した。国内でも沿岸地域に設置した太陽光パネルには塩害対策が必要になるなど、清掃の問題は重要で、人手を省けるロボットのニーズは多くありそうだ。
開発したのは香川大学の学生が2004年に設立した「未来機械」。移動ロボットの研究開発・販売を専門にするベンチャー企業で、太陽光パネルの掃除ロボットも香川大学の工学部の協力を得て開発した。現在のところ製品化の時期などは未定である。すでに窓拭き用のロボット「WallWalker」を製品化していて、太陽光パネル用のロボットは第2弾になる。
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