連載
小水力発電の導入可能量が最大の県は?:ウイークエンドQuiz(2/2 ページ)
このところ全国各地から「小水力発電」を開始するニュースが続々と入ってくるようになった。設備が簡単で導入しやすく、しかも発電量が安定している。特に河川や農業用水路の多い地域で活発になっている。小水力発電を導入できる規模が最大の都道府県はどこだろう。
正解:
e.岐阜県
ミニ解説:
実は「小水力発電」に限定した導入可能量を都道府県別に推定したデータはなく、少し規模の大きい「中水力発電」まで含めて、出力が3万kW以下の「中小水力発電」の導入可能量を環境省が算出している。
その結果を見ると、上位の6県が僅差で並ぶが、設備容量の点で頭ひとつ抜け出ているのが岐阜県だ。木曽川をはじめ大小の河川が数多く流れていて、発電設備の設置対象になる場所も1500か所以上ある。
次の第2位は広大な土地を擁する北海道で、さらに新潟県、群馬県、富山県、長野県と続く。いずれも中部から東側の地域で、西日本には上位に入る県がない。導入可能量が最も多い高知県でも岐阜県の4分の1しかない。こと中小水力発電に関しては「東高西低」の状況にある。
ただし以上の結果は導入「可能量」であって、実際の導入量を比較すると順位が変わってくる。最新のデータでは千葉大学の倉阪研究室とNPO法人の環境エネルギー政策研究所が共同でまとめたものが参考になる。
出力が1万kW未満の設備を対象にした分析結果で、長野県が第1位に浮上する。第2位は富山県、第3位は新潟県の順だ。岐阜県は第10位で、導入量は長野県の3分の1程度である。環境省の導入可能量の推定データとは出力の区分が多少異なることもあるが、岐阜県には導入拡大の余地が大きく残っていると考えられる。
関連記事
- 中小水力の発電可能量は日本一、バイオマスや太陽光でも分散型へ
日本列島エネルギー改造計画(21)岐阜 - 小水力発電で全国トップ、市民参加型の太陽光発電所も拡大中
日本列島エネルギー改造計画(16)長野 - 水力発電所の集積地に、大規模ダム式から小水力まで勢ぞろい
日本列島エネルギー改造計画(18)富山 - キーワード解説:水路があれば発電できる「小水力発電」
農業用水路をはじめ、浄水場やダムの放水路でも - 水力発電に再び脚光、工場や農地で「小水力発電」
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(6)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.