MEMSの補助金対象サービス、アグリゲータ6社の価格に大きな開き:補助金
総額130億円の予算で実施するMEMS(マンション向けエネルギー管理システム)の補助金制度で対象になる6社のサービスの価格と内容が明らかになった。1棟で100戸の場合の初期導入費は最低0円から最高4450万円まで幅があり、提供するサービスにも明確な違いがある。
新たに始まるMEMS(マンション向けエネルギー管理システム)の補助金制度では、設備費と工事費を合わせた初期導入費の3分の1まで支給することになっている。その対象になる6社のアグリゲータによるMEMSサービスの価格と内容について、補助金制度を運営する環境共創イニシアチブ(SII)が公表した。
SIIがまとめた6社のサービスは価格に大きな開きがあり、サービスの内容にも明確な違いがある(図1)。各社が共通に提供するのは電力使用量を見える化するサービスだけで、そのほかはアグリゲータによって分かれる。
見える化に加えて節電対策として重要な電気機器の自動制御サービスは、トーエネックを除く5社が提供する。さらにMEMSと合わせて導入するケースが多くなるとみられる高圧一括受電サービスは日立製作所を除く5社がメニューに加えた。その代わりに日立は住戸を含むマンション全体のセキュリティサービスを標準で提供する。
インターネットサービスを提供するのはNTTファシリティーズ、洸陽電機、ファミリーネット・ジャパンの3社である。トーエネックはHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)とセットにしてオプションでインターネットサービスを提供し、MEMSの基本機能である見える化と高圧一括受電だけの場合には初期導入費を無料にする。
これだけ各社のサービスや価格に違いがあると、導入するマンション側の要件によって選ばれるアグリゲータが分かれそうだ。SIIは4月中にアグリゲータを10社程度増やす予定で、よりいっそう多彩なサービスがそろうことになる。
どのアグリゲータのサービスが数多くのマンションに導入されるのか注目である。補助金を主管する経済産業省は1年間に800棟の合計8万戸に適用することを目標に推進する計画だ。
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