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水素を「作る」スタンド、愛知県に2カ所開設自然エネルギー(2/2 ページ)

燃料電池車向けの供給インフラ「水素ステーション」が続々立ち上がっている。愛知県では2カ所で運用を開始。特徴は水素をステーションに運び込むのではなく、ステーション内で他のガスから水素を製造することだ。

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バス対応のとよたエコフルタウン

 とよたエコフルタウン水素ステーションは、東邦ガスと岩谷産業が建設し、運用する(図4、図5)。特徴は2つある。燃料電池車と燃料電池バスの両方に対応したことが1つ。もう1つは水素圧縮機から燃料電池車に直接圧縮水素を送り込む直充填方式の大流量圧縮機を備えていることだ。ドイツLinde Group*4)のパッケージ型充填装置を採用した。商用仕様の水素ステーションとしてLinde Groupの装置を導入した初の事例だという。

*4) Linde Groupは、1879年に創業した世界最大の産業用と医療用のガス会社の1つ。


図4 とよたエコフルタウン水素ステーションの外観。出典:東邦ガス

図5 水素充填機。出典:NEDO

 同ステーションでは原料ガスに都市ガスを使う*5)。水素製造能力は100Nm3だ。やはり圧縮機を使うが、蓄圧器(300L×5本)の圧力は40MPa(300L×5本)と低い。その代わり、蓄圧器の後段にもう1つ圧縮機(充填パッケージ)を置いている(図6)。Linde Groupの充填装置だ。このような構成を採るメリットは何だろうか。「蓄圧器の圧力が40MPaと低いため、低コスト仕様のタンクを利用できることだ」(NEDO)。1台当たりの水素充填時間は3〜5分である。

*5) 都市ガスの主成分はメタン(CH4)。プロパンとは異なる反応を起こすが、水素を製造できる点は変わらない。


図6 水素の流れ。出典:東邦ガス
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