ニュース
蓄電システムのリサイクル処理、エリーパワーが全国で実施へ:蓄電・発電機器
電力のピークシフトなどの用途で企業や家庭の導入が増えている蓄電システムだが、ある程度の期間が経つと寿命を迎えて廃棄処理が必要になる。蓄電システム大手のエリーパワーは環境省から「広域認定」を取得して、全国で回収とリサイクルを実施できる体制を整えた。
蓄電システムは通常の家電製品と比べて廃棄処理に専門知識が必要で、内蔵の大型リチウムイオン蓄電池は一般の処理施設では解体が難しいとされている。今後の回収・リサイクルを円滑に実施するために、エリーパワーは製造事業者に認められる「広域認定」を環境省から取得した。今後は自治体の許可を得なくても、沖縄を除く全国各地で廃棄物として処理できるようになる。
エリーパワーは企業や家庭で使えなくなった蓄電システムを回収して、解体後に部材を再利用できるようにする(図1)。リチウムイオン電池を含めて処理を施すことによって、鉄・銅・アルミニウムなどの金属やプラスチック類を取り出す。すべての部材をリサイクルできるため、埋め立てが不要になるメリットも生まれる。
回収の対象になるのは可搬型の蓄電システムである企業向けの「パワーイレ」と家庭向けの「パワーイレ・プラス」の2製品である(図2)。規模の大きい据置型の蓄電システムにも同様のリチウムイオン電池が内蔵されているが、現時点では回収・リサイクルの対象に入らない。
関連記事
- 充放電の繰り返しに強く、長く使える住宅用蓄電池
10年間に1万2000回の充放電でも性能維持 - プリウスの使用済み蓄電池を定置型に再利用、4月に発売
住宅やビルに設置する容量10kWh - 停電時も途切れることなく電力を供給、産業向けの大型蓄電池
エリーパワーが蓄電容量60kWhの製品を発売 - 可搬型の蓄電池1000台を導入、大規模ピークシフト計画
大和ハウス工業が事業拠点200カ所に - 蓄電池:用途と必要な機能を見極め、蓄電容量当たりの価格を評価
節電に効くシステム(2)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.