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落差7メートルで小水力発電、農業用水路から1200戸分の電力:自然エネルギー
静岡県を流れる大井川の農業用水路に小水力発電所が完成して、運転を開始した。用水路に設けた7メートルの落差を利用した発電設備で、最大893kWの電力を供給することができる。水力のエネルギーを最大限に発揮するために、水車の回転数を3倍に高速化する増速機を導入した。
7月から運転を開始した「伊太(いた)発電所」(図1)は、農林水産省による「国営大井川用水農業水利事業」の一環で建設されたものである。南アルプスを水源にする大井川では、国が中心になって洪水対策のための水利事業に古くから取り組んできた。農業用水路の整備も事業のひとつだが、水量の減少や設備の老朽化に伴って再整備が必要になっている。
伊太発電所は農業用水路に設けた水の勢いを弱めるための「落差工(らくさこう)」の改修に合わせて建設した。落差工の代わりに発電設備を設置することによって、水流の調整と電力の供給を可能にする(図2)。
発電に利用する水流の落差は7メートルあり、最大で毎秒17立方メートルの水量を生かして893kWの電力を作り出すことができる。年間の発電量は430万kWhを見込み、一般家庭で約1200戸分の電力使用量に相当する。発電機と合わせて増速機を導入して、水車の回転数を3倍に増やすことによって発電能力を高めている(図3)。
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