土砂採取の跡地にメガソーラー、和歌山市が20MWの発電事業を誘致:スマートシティ
都市開発の失敗によって残された広大な未利用地の活用手段として、大規模なメガソーラーを誘致する動きが全国各地に広がっている。和歌山市は関西国際空港の土砂採取事業の跡地に事業者を誘致して、20MW規模のメガソーラーを実現させる計画だ。
和歌山市がメガソーラーの事業者を誘致する場所は、県が開発した産業団地「コスモパーク加太」に隣接する約36万平方メートルの市有地である(図1)。固定価格買取制度の買取期間20年と建設期間などを合わせて、約22年間にわたって土地を貸し付ける。
メガソーラーの規模は20MW(メガワット)程度を想定している。和歌山市は8月9日から事業者の公募を開始して、9月中に決定する方針だ。事業者が決まれば2014年度中に運転を開始できる見込みである。
建設予定地のすぐ近くにある県の所有地では、2012年9月から「コスモパーク加太太陽光発電所」が2MBの規模で稼働中だ(図2)。この一帯は関西国際空港を建設する際の土砂採取事業に使われた跡地で、和歌山県が産業団地として開発したものの、企業の誘致が進まず、未利用地が多く残っている。
同様の関西国際空港関連の土砂採取事業跡地は隣接する大阪府側にもあり、すでに整備計画の一環でメガソーラーの誘致を2つの区画で実施した。シャープが2013年3月から2.7MWの規模で運転を開始したのに続き、ユーラスエナジーグループが8月に10MWの大規模なメガソーラーを稼働させる予定だ。
和歌山市のメガソーラー建設予定地も同じ紀伊半島の西端にあって、日照時間が長く、太陽光発電に適した場所である。周辺で複数のメガソーラーが稼働している実績もあることから、多くの事業者が応募するものとみられる。
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