ニュース
太陽光発電で1kWの損失も見逃さない、メガソーラーの監視装置:蓄電・発電機器
全国各地でメガソーラーが急増しているが、最大の課題は安定稼働を続けることにある。屋外に設置する何千枚もの太陽電池パネルには不具合を発生する可能性が大きく、発電量の低下を監視する仕組みが必要だ。多数の太陽電池パネルの発電量を一括に監視できる装置が発売された。
メガソーラーなどで利用する太陽電池パネルの稼働状態を監視する方法は何通りかある。そのうちのひとつが、複数のパネルで構成する「ストリング」の単位で発電量の変化を測定する方法だ。富士電機グループが発売した「PVストリング監視ユニット」は1台で最大12ストリングの発電量を測定することができる(図1)。
一般に発電能力が1MW(メガワット)のメガソーラーは200程度のストリングで構成する場合が多い。1つのストリングあたりの発電能力は5kWになり、太陽電池パネルの故障によって0.5〜1kW程度の能力低下が生じることを想定する必要がある。もし1kWの低下を見過ごして1年間が経過してしまうと、年間に約1000kWhの発電量を失うことになる。200ストリングあれば最大20万kWhになり、多額の売電収入を損失しかねない。
PVストリング監視ユニットは太陽電池パネルからの電力を集約する接続箱の中に設置して利用する(図2)。最大12のストリングと接続して、一定間隔で電流と電圧を測定することにより、各ストリングの発電量を監視することができる。
関連記事
- どこが故障してもぴたりと分かる、何千枚もあるメガソーラーの太陽電池
電力線通信(PLC)技術を活用 - 太陽光発電の運営コストを低減する、防草シートと遠隔監視システム
2MW発電設備で実用性を検証 - メガソーラー専門の遠隔監視サービス、クラウド利用で数万円から
機器の異常報告から発電状況や売電状況まで - 月額3500円の遠隔監視サービス、太陽光発電システムを携帯用の回線で
中規模のシステムを対象に、発電量の確認や故障の検知が可能 - 太陽光発電の3つの課題−用地、連系、安定稼働−
再生可能エネルギーの現実(1)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.