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発電量が日本の1.5倍、サウジアラビアで駐車場の屋根にメガソーラー:自然エネルギー
サウジアラビア国営の石油会社がオフィスに隣接する駐車場の屋根に設置した大規模な太陽光発電設備がある。稼働から6カ月間の発電量が日本の標準を1.5倍も上回った。平均日照時間が12時間もある中東ならではの利点を生かした導入事例だ。
世界中で消費される石油の約10%を供給しているのがサウジアラビア国営の「サウジアラムコ(Saudi Aramco)」である。石油産業の中心になるダーラン市に建設した複合オフィス施設「アルミドラ・コンプレックス(Al-Midra Complex)」で、2012年1月から大規模な太陽光発電に取り組んでいる(図1)。
オフィスに隣接する駐車場の屋根に太陽光パネルを設置したものだが、その規模は驚くほど大きい。16万平方メートルの敷地に4450台分の駐車スペースがあって、太陽光を遮る屋根で覆われている(図2)。屋根に設置した太陽光パネルは12万枚を超え、発電能力は10.5MW(メガワット)に達する。
さらに驚くのは発電量の多さだ。太陽光パネルを供給したソーラーフロンティアによると、稼働から6カ月間で850万kWhを記録した。発電効率を示す設備利用率を計算すると、実に18%以上になる。日本では太陽光発電の設備利用率は約12%が標準であることから、1.5倍の発電量を実現している。
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