蓄電池をつなげたパワコン、太陽光の用途が大きく広がる:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
田淵電機は2014年1月に大容量リチウムイオン蓄電池を接続して使うパワーコンディショナー(パワコン)を製品化する。蓄電池の動作を3種類から選択でき、経済性や環境性、停電時の対応のうち、最も重視したい条件に合わせてシステム全体を自動的に運用できる。
停電時には自立運転機能が役立つ
停電時の動作はどのモードでも同じだ。系統との電力のやりとりはない。自立運転が可能であり、日中は太陽光発電から消費分を引いた電力を充電に使う。3.5kW発電し、2.0kW消費するなら、1.5kWが充電に使われる。夜間は最大2.0kWの電力を家庭内の消費のために供給する。供給可能な時間の長さは太陽光発電の能力や蓄電池の容量、初期の充電状態によって異なる。
シチュエーションモードを切り替えるリモコンには、太陽光発電システムの売電量や発電量、累積発電量なども表示できる。今後はHEMSとの統合も予定しているという。
蓄電池の容量などを選択できる
パワーコンディショナーからの交流出力によって、アイビスは2種類の製品に分かれる。4.0kWと5.5kWだ。それぞれ、リチウムイオン蓄電池の容量を3種類から選択できる。2.5kWhと5.0kWh、10.0kWhである。「リチウムイオン蓄電池は国内の3大メーカーのうち1社から全量を購入する」(田淵電機)。蓄電池への充電は1.5kW、放電は2.0kWと決まっている。
パワーコンディショナーには最大450Vの太陽電池モジュールを2ストリング(入力4.3kW)または3ストリング(入力6.45kW)接続できる。2ストリングとはパワーコンディショナー内に直流/直流変換回路が2つ備わっているという意味だ(実際には蓄電池用にもう1回路ある)。交流出力方式は一般家庭で広く使われている単線2線式であり、出力電圧は202V。
太陽電池モジュールからの直流電流を配電盤向けの交流電流に変換する際の効率は、92%だ。通常の機能のみを備えているパワーコンディショナーの変換効率に比べて低い値になる理由として、田淵電機は充放電ラインへのノイズ干渉を低減するために特別なインバーター方式を採用しているためだとした。
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