ニュース
生ごみや廃棄食品からバイオガスで発電、堆肥も生成して農業に生かす:スマートシティ
愛知県の知多半島にある大府市で、未利用の生ごみなどからバイオガスを生成して発電する計画が動き出した。名古屋市を含む近隣の自治体からも生ごみや廃棄食品を購入して、バイオガスで1300世帯分の電力を供給する。さらにバイオガスの生成段階で堆肥を作り出して農業にも生かす。
大府(おおぶ)市は名古屋市の中心部から20キロメートルの近さにあって、ベッドタウンとして人口が増え続けている。生ごみや廃棄食品の量も増えていて、年間に5000トンにも達する。これまでは大半を焼却埋立処理するだけだったが、新たに国の補助金を受けてバイオガス発電施設を建設することになった。
地元の廃棄物処理会社であるオオブユニティが事業者になり、2014年1月に着工する(図1)。運転開始は2015年10月を予定している。発電能力は600kWで、年間の発電量は500万kWhを想定している。固定価格買取制度を利用して全量を中部電力に売電する計画だ。バイオガスによる電力の買取価格は1kWhあたり39円になり、現時点では太陽光発電よりも高い。
計画中のバイオガス発電施設は1日に最大70トンの生ごみなどを受け入れることができる。大府市のほかに周辺の名古屋市などからも生ごみや廃棄食品を購入して発電事業に利用することにしている。
関連記事
- 「ごみ発電」で初めて、固定価格買取制度の認定設備が決まる
三重県企業庁が運営する「三重ごみ固形燃料発電所」 - 廃棄物エネルギーで8億円超の補助金、バイオマスも対象
環境省が2003年度から継続している制度 - バイオマスは電力源の宝庫、木材からゴミまで多種多様
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(8) - バイオマス発電の3つの課題−燃料調達、分別、CO2−
再生可能エネルギーの現実(5) - 太陽光発電で全国のトップを快走、加速するメガソーラー開発に風力や小水力も
エネルギー列島2013年版(23)愛知
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.