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風車の直径103メートルでも台風と落雷に強い、日本仕様の風力発電機:蓄電・発電機器
世界最大の風力発電機メーカーでもある米国GE(ゼネラルエレクトリック)が日本仕様の大型製品を発表した。2.5MW(メガワット)の標準品を改良して、風車の直径も103メートルに延ばし、発電能力を2.85MWに高めた。日本向けに台風と落雷の対策も施した。
日本国内では2013年の1年間だけで、風力発電所の破損・落下事故が少なくとも4件発生している。その原因になったのは、台風に伴う強風や、天候の急変で発生する落雷だった。今後の市場拡大が期待できる日本向けに、GE(ゼネラルエレクトリック)は台風と落雷対策を施した大型の風力発電機を投入する。製品名は「2.85-103 for Japan」である(図1)。
現在の風力発電で主流になっている2MW(メガワット)級の中では出力が大きい2.85MWの性能を発揮する。日本の陸上では1基あたり年間に500万kWh程度の電力を供給する能力があり(発電効率20%と想定)、一般家庭の1400世帯分に相当する。
風車の羽根(ローター)の直径は103メートルで、2MW級では標準的な大きさだ。風車を支えるタワーは85メートルの高さになり、日本特有の地震と強風に耐えられるように建築基準法に準拠した。落雷対策では経済産業省が推奨する国際規格の「IEC62305-1保護レベルI」に相当する保護機能を備えている。
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