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未稼働の太陽光発電プロジェクト、5億円の投資額で4月末まで募集:法制度・規制
固定価格買取制度の認定を受けたにもかかわらず、早期に建設に着手しない発電設備が問題視されている。NTTスマイルエナジーは未稼働の案件を引き取って事業化するプロジェクトを開始した。総額10億円の投資額のうち5億円分を4月30日まで募集する。
NTTスマイルエナジーはNTT西日本とオムロンの合弁会社で、太陽光発電システムの遠隔監視サービス「エコめがね」を中心に再生可能エネルギー事業を展開している。エコめがねを取り扱っている太陽光発電システムの販売会社は600社以上にのぼり、その販売会社を支援する形で発電事業に乗り出す(図1)。
これまでに固定価格買取制度で認定を受けた太陽光発電設備のうち、実際に建設工事に着手していない案件が数多く残っている。資金や土地の調達に難航しているケースもあり、経済産業省は認定の失効ルールを設けるなど対策を強化し始めた。NTTスマイルエナジーは総額10億円の資金を用意して、未稼働の案件を事業化する「ご縁ソーラープロジェクト」を開始した。
第1期として5億円分の案件を4月30日まで募集する。太陽光発電システムの販売会社から案件情報を集約して、実施可能なものを選定したうえで販売会社に建設を依頼する予定だ。NTTスマイルエナジーは発電事業者になって電力会社から売電収入を得る。現在のところ太陽光発電システムの建設費は1kWあたり30万円弱の水準で、5億円を投資すると1.8MW(メガワット)程度の発電規模になる。
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