世界の再生可能エネルギー投資額は21兆円、日本は80%も増えて第3位:自然エネルギー(2/2 ページ)
2013年に再生可能エネルギーの開発に投入された金額は全世界で2140億ドル(約21兆円)にのぼった。前年比では14%の減少だが、最大の要因は太陽光発電システムの価格が低下したことで、導入量は増加している。国別では前年から80%も投資額を増やした日本が第3位に入った。
太陽光発電のコストは3年半で50%低下
全世界の投資額のうち約2分の1は太陽光発電の開発に投じられた(図3)。2012年と比べて20%の大幅な減少率になったのは、発電システムのコストが直近の3年半で50%前後も下がったためである。
次いで2番目に多いのは風力で、太陽光と合わせると全体の90%を占める。世界全体で再生可能エネルギーの投資が太陽光と風力の2つに集中していることがわかる。風力の投資額も2012年からは1%減少しているが、導入量は増加傾向にある。
図3 再生可能エネルギーの種類別の投資額と前年比(単位:10億ドル)。上から順に、太陽光、風力、バイオマス/廃棄物、バイオ燃料、小水力、地熱、海洋。出典:UNEP、Bloomberg New Energy Finance
導入量が増えれば発電システムの価格が下がっていく。Bloomberg New Energy Financeが発電方式別に電力 1MWhあたりのコストを調べたところ、2009年第3四半期から2013年第1四半期までの3年半のあいだに、太陽光発電は30%以上もコストが低下している(図4)。
特にコストの減少率が大きいのは、最近の太陽光発電で主流になっている結晶シリコン系の太陽電池を使った場合だ。実に52.7%の大幅なコストダウンを示していて、単純平均で年率15%の低下になる。
風力では陸上と洋上でコストの増減に大きな差がある。陸上風力のコストは3年半で14.7%下がったが、一方で洋上風力は40%以上も上がった。建設費の高い浮体式の洋上風力発電設備の増加が1つの要因として考えられる。このほかではバイオマスはどの方式でも発電コストが低下して、逆に地熱は上昇している。
関連記事
- 2020年に電力需要の20%へ、発電コストの低下がカギ
再生可能エネルギーの未来予測(1) - 世界各国で再生可能エネルギーが拡大、2018年に電力の25%を占める
ガス火力を上回り、原子力の2倍に - 中国と日本が世界の半数を占めた――2013年の太陽光市場
全世界の新規導入量は37GW、前年比35%の成長 - 風力発電が2012年に全世界で10%増加、1位の中国は日本の150倍
2009年以来3年ぶりに2ケタの成長率 - 「日本は成長市場」、明暗分かれる世界の再生エネ投資
米Bloomberg New Energy Financeの調査
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.