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電気を使う?使わない? 真夏の危機を考える横浜:エネルギー管理(2/2 ページ)
横浜市は市内3500世帯の協力を得て、国内最大規模の省エネ行動実験を始める。横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)で構築したEMS(エネルギーマネジメントシステム)を骨組みとする実験だ。電力需給がひっ迫した際、電力料金の額や適用時間、報酬を変えて反応を調べる。ユーザーに無理なく省エネを促す仕組み作りに役立てる実験だ。
実験するかどうかは前日に分かる
省エネ行動実験は、デマンドレスポンスが実際に行われる将来の姿を見越した形になっている(図3)。
まず、天気予報を利用して翌日の予想最高気温を毎日調べる。需要がひっ迫しそうな場合、参加者に実験を実施することをメールで知らせる。横浜スマートシティプロジェクトは中央に全EMSを束ねるCEMS(地域EMS)を備えており、CEMSがメールを送信する。
実験参加者はそれぞれの電気料金表を見て、HEMSを利用した省エネ行動を考える。実験当日は空調温度設定や使用時間の調整を実行する。空調の調整以外にも、外出して「クールシェア」することもあるだろう。省エネ行動の結果、どの程度消費電力量が削減できたかをHEMSとスマートメーターを使って集計し、課金や報奨金の支払いに役立てる。実験全体の終了後には、各世帯に対して、デマンドレスポンスに対応した際の工夫や課題について聞き取る予定だ。
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