銀座4丁目の三愛ビル、広告塔を自然エネだけで点灯:自然エネルギー
リコーは2014年7月、銀座4丁目交差点にある広告塔を自然エネルギーだけで賄う計画を発表した。太陽光発電と風力発電を蓄電池と組み合わせる。
リコーは2014年7月、三愛ドリームセンタービル屋上の広告塔を100%自然エネルギー化すると発表した(図1、図2)。2014年8月末の完成を予定する。
三愛ドリームセンタービルは、リコーが所有する建物。銀座4丁目交差点(東京都中央区)の西側にそびえる9階建のビルであり、円柱状の形から銀座のランドマークの1つとなっている。
屋上広告棟はビルの上端に付いている。上方から見て円形をしており、高さ14.54m、円の周囲は25.55mある。広告の光源の消費電力量は1日当たり23.4kWhとなる予定*1)。
*1) 三愛ドリームセンタービルは2011年7月に全館LED化を完了している。ただし、広告塔はデザインを優先しているため、夜間に白く線状に光る部分などで、ネオン管を残している。
この電力を広告塔内部に収めた太陽電池モジュール78枚、広告塔上部に設置する小型の風力発電機4基のみで賄う。同社の計算によれば、1日の平均発電量は約39kWhである。「月間発電量は太陽光発電が1135kWh、風力発電が62kWh」(リコー)。広告棟は主に夜間に光るため、1台当たり容量255Ahの蓄電池を48台用いて電力を蓄える。
天候により、広告が完全には点灯しない場合もあると同社は予測しているものの、環境を意識することにつながるとし、問題視していない。
図3に広告塔の完成予想図を示した。「図には示されていないが、当社のロゴの『H』の字の右側にも垂直に太陽電池モジュールを設置する」(リコー)。
リコーは2050年までに環境負荷を8分の1に低減する目標を打ち出しており、グリーン電力証券の購入や商品の消費電力低減、製造設備での省エネルギー化、自然エネルギー発電などで実現しようとしている。広告は環境負荷低減の対象外ではあるものの、ニューヨーク、ロンドン、シドニーで100%自然エネルギー化を達成しており*2)、対象範囲外であっても努力する姿勢を見せている形だ。
*2) 三愛ドリームセンタービルの事例は、リコーとして国内初ではない。2003年に大阪市北区で100%自然エネルギー広告を実現している。ただし、近隣のビル建設により維持ができなくなった経緯がある。
関連記事
- 光に吸い寄せられるのか、70%の節電効果をうたうモスバーガーの新看板
2〜4%の売上増効果 - 讃岐うどんの大手がLED照明を独自開発、800店で電気料金を2億円削減
丸亀製麺 - LED照明を活用した屋外掲出用看板、低消費電力で光が看板全面を均一に照らす
LED光の直進性を生かす - 弱い光に「強い」、二酸化炭素で作る太陽電池
リコーの完全固体型色素増感太陽電池
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.