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150年以上の歴史がある釜石鉱山、地上の遊休地に2MWのメガソーラー自然エネルギー

1857年に日本で初めて鉄鉱石の製錬を開始した岩手県の「釜石鉱山」だが、現在は地下から湧き出るミネラルウォーターの生産地になっている。鉱山の地表部分に残る5万平方メートルの土地にメガソーラーを建設する計画が始まった。2MWの発電規模で12月に運転を開始する予定だ。

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図1 「釜石鉱山」の鉄鉱石採掘跡。出典:日鉄鉱業

 旧・日本製鉄の鉱山部門が独立した日鉄鉱業グループが、全国各地にある遊休地でメガソーラー事業を拡大中だ。新たに岩手県の「釜石鉱山」(図1)に所有する5万平方メートルの遊休地に、発電能力が2MW(メガワット)のメガソーラーを建設する。

 日鉄鉱業は全国に鉱山や採石所を所有していて、広大な遊休地を活用したメガソーラーによる発電事業を2013年から展開している。これまでに北海道・福岡・長崎の3カ所で運転を開始したほか、福岡と栃木の2カ所にも建設中だ(図2)。釜石のメガソーラーを加えると、発電能力は10MWを超える。


図2 日鉄鉱業のメガソーラー計画。「洞爺湖メガソーラー発電所」(左)、「庄内メガソーラー発電所」(右)。出典:日鉄鉱業

 年間の発電量は6カ所の合計で1210万kWhに達して、一般家庭で3300世帯分に相当する。売電収入は年間に4億円以上になる見込みだ。釜石のメガソーラーでは約7億円の投資額に対して、年間の売電収入は8000万円程度になるとみられる。

 釜石鉱山は「鉄の町・釜石」を100年以上にわたって支えてきた歴史的な場所で、鉄鉱石や銅を採掘するための地下坑道が1000キロメートル以上も掘られている(図3)。周囲の鉱床や岩盤を通して湧き出る地下水が豊富で、現在はミネラルウォーターの生産が主力事業になっている。

 地下の貯水池から320メートル下には水力発電所もあって、24時間を通して200〜250kWの電力を供給することができる。発電した電力はミネラルウォーターの生産工場などで利用したうえで、余剰分を電力会社に売電している。


図3 「釜石鉱山」の坑内。出典:釜石鉱山

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