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太陽電池の出荷が7割に落ち込む、原因は2つ自然エネルギー(1/2 ページ)

太陽光発電協会(JPEA)は2014年9月、国内の太陽電池モジュールの総出荷量などを発表した。2014年4月〜6月は数量が落ち込み、前四半期の72%にとどまった。発表値から読み取ることができる直接の要因は国内生産の減少と、工場や公共機関などへの導入量減。いずれも例年の季節要因を上回る落ち込みであり、消費税増税などの影響が考えられる。

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 太陽光発電協会(JPEA)は2014年9月、47社*1)を対象とした日本における太陽電池セルと同モジュールの総出荷量(いずれもkWベース)などを発表した。調査対象期間は2014年度第1四半期(2014年4月〜6月)である。

例年よりも第1四半期の落ち込み大きい

 太陽電池モジュールの総出荷量は200万8056kW(約2.0GW)であり、これは前年同四半期の1.21倍に相当する(図1)。ただし、前四半期比では77万8039kWも減っており、大幅な減少(0.72倍)といえる。JPEAの過去の調査結果から、第1四半期の出荷量は通常、前四半期よりも減少する傾向にあることが分かっているものの、今四半期は落ち込みが著しい。

 JPEAは47社のうち日本企業20社の出荷量を別途発表している。日本企業の出荷量は139万60kW(約1.4GW)であり、前年同四半期比1.08倍、前四半期比0.7倍である。図1では日本企業の数量を緑色系統の色で示した(日本企業のデータは2013年度から発表)。総出荷量に占める今四半期の比率は69%であり、これは2013年度(四半期ごとに69〜71%)からほとんど変化がない。


図1 太陽電池モジュールの出荷量(2012〜2014年度、kW) 出典:JPEAの調査結果に基づいて作図

海外生産、国内出荷の傾向進む

 JPEAの調査では、生産地と出荷先を独立に調べている。今四半期の国内生産量は、78万8535kW、海外生産量は121万9521kW。過去の数値と比較すると、生産の海外シフトが一貫して進んでいることが分かる。今四半期、初めて海外生産の比率が6割を超えたほどだ。図2に海外生産(橙色)と国内生産(青色)の推移を示した。

 前四半期の生産量との増減を見ると、国内生産は44万194kW減少している。全生産量の減少分(76万6463kW)に占める割合は57%と高い。つまり、生産量(出荷量)が減った川上側の要因は国内生産の減少であることが分かる。


図2 太陽電池モジュールの海外生産量と国内生産量。海外生産の割合(2012〜2014年度、kW) 出典:JPEAの調査結果に基づいて作図

 国内出荷は188万2028kW、海外出荷は12万6028kW。2013年度第4四半期の海外出荷量は1万1576kWと少なかったことから大幅な増加に見えるものの、国内向けの出荷比率は93.7%と高い。2012年度の総出荷量に占める国内出荷量の比率は90.5%、2013年度は99.1%であったことから、輸出の落ち込みが谷底で一服した形と捉えた方がよいことが分かる。

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