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太陽熱で300Lの湯、集熱パネルと貯湯槽の組み合わせ:自然エネルギー(2/2 ページ)
矢崎エナジーシステムは2014年9月から太陽熱を使って湯を作り出す装置「新エコソーラーIIシステム」の販売を開始した。基本的な構成は、戸建住宅の屋根に集熱パネルを配置し、地上に置いた貯湯ユニットに湯を貯めるというもの。冬季でも40度以上の湯を作り出すことができる。
効率を3%向上、消費電力低減
矢崎エナジーシステムは新製品に大きく5点の改良を加えた。第1に価格を低減し、使いやすさを高めたことだ。価格は従来品よりも30%安価である。新製品はポンプが消費する電力も80Wと小さい*5)。省エネであり、電気料金節減に役立つ。使いやすさの工夫は2つある。従来よりも1.5倍圧力が高い(450kPa)のシャワー圧が得られるようになったことと、給湯器との連動動作が可能になったことだ。
第2の改良点は集熱パネルの集熱効率を3%高めたことだ。「集熱パネルの前面を覆うガラスに、熱透過率の高い低鉄ガラス(LIG:Low Iron Glass)を採用することで実現した」(矢崎エナジーシステム、図5)。集熱パネルの厚さ自体も従来の60mmから46mmに薄型化し、屋根に置いた場合もより自然に見えるようになったという。
*5) 熱媒(18Lまたは25L)を循環させるためにポンプを利用する。従来の交流ポンプ(消費電力90W)を直流ポンプに置き換えることで省電力化した。
第3の改良点は貯湯ユニット内の湯水を緊急備蓄水として利用できるよう、非常用取り出し口を付けたことだ。ただし、飲料水として使うことは考えていないという。
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