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エネルギー問題を助ける「水素」、燃料電池車に弱点はないのか:小寺信良のEnergy Future(2/4 ページ)
トヨタ自動車が2014年12月15日に発売する世界初の量産型の燃料電池車「MIRAI」。燃料電池車はガソリン車や電気自動車と比較して、どこが優れているのか。優れていたとしても「水素」が弱点になることはないのか。小寺信良がエネルギーからMIRAIを見た。
実際にはどのような車か
MIRAIは、大人4人乗りの高級セダンである。前方に大きく開いた吸気グリルは、発電に必要な酸素を大気中から取り込むためのものだ。走行しないと吸気できないということはないので、デザインとして前方に付けられたという(図3)。
燃料電池は底部にあり、セダンでありながらミッドシップ*2)ということになる。MIRAIは2基の水素タンクを搭載しており、後部座席の真下に60L(図4)、トランクルームの下に62.4L(図5)、合計122.4L。充填圧力は700気圧(70MPa)とかなり高い(図6)。
*2) ミッドシップとはエンジンを車体の中心付近に配置する構造をいう。
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