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木質の廃棄物で6300世帯分の電力、1日に140トンを燃料に再利用自然エネルギー

滋賀県で木質廃棄物のリサイクルに取り組む事業者がバイオマス発電所の運転を開始した。建築廃材などを自社で木質チップに加工して発電用の燃料に利用する計画だ。発電能力は3.55MWで、一般家庭の使用量に換算して6300世帯分の電力を供給することができる。

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 バイオマス発電所を稼働させたのは、滋賀県の米原市で建築資材などを加工・販売するヤマムログループである。発電事業のために設立した「いぶきグリーンエネジー」が1月5日に木質バイオマス発電所の運転を開始した(図1)。


図1 「いぶきグリーンエナジーバイオマス発電所」の全景。出典:いぶきグリーンエナジー

 発電能力は3.55MW(メガワット)あって、このうち0.7MWを発電所内で利用する。残る2.85MWを固定価格買取制度で売電する計画だ。1日に24時間の連続運転で、年間に約330日の稼働を予定している。売電できる電力量は年間に2260万kWh程度になり、一般家庭で6300世帯分に相当する。

 建築資材の廃棄物を利用したバイオマス発電の買取価格は1kWhあたり13円(税抜き)に設定されている。年間に330日の稼働で売電収入は約3億円になる見通しだ。滋賀県内で固定価格買取制度の適用を受けたバイオマス発電所が運転を開始した初めてのケースである。

 ヤマムログループは以前から、「一片の木材も無駄にしないリサイクルシステム」の構築を進めている。建築廃材などを集約して木質チップに加工したうえで、木材を乾燥させるためのボイラーの燃料に利用してきた。新たに発電事業を開始してリサイクルシステムを拡大する(図2)。1日あたり約140トンにのぼる木質チップの利用を見込んでいる。


図2 発電プラントの処理の流れ。出典:いぶきグリーンエナジー

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