ニュース
太陽電池の出力アップ、網目電極とセルの裏返しで実現:蓄電・発電機器(3/3 ページ)
長州産業は東京で開催された「スマートエネルギーWeek 2015」において、高性能な太陽電池モジュールを展示した。特徴は太陽電池セルの表面電極や層構造を一新したこと。波長変換材料と組み合わせた試作品や、より細く品質の高い電極を製造する技術も見せた。
細線印刷技術で電流を増やす
Gシリーズの性能を高めるもう1つの技術、細線印刷技術が狙うのはコストダウン、開口率向上、電流増だ。
Gシリーズの表面電極は網の目のように細い。このうち横糸に相当するフィンガー電極を改善する。フィンガー電極には銀を利用するため、均一性を保ったままより細くできればコストダウンにつながる。細線印刷技術では従来のスクリーン印刷ではなく、グラビアオフセット印刷を利用する。こうすることで品質の高い細線を形成できるという。図7にある通り、マルチワイヤ電極と組み合わせることで銀の使用量を従来の40mgから6.5mgに減らすことが可能だとした。これはスクリーン印刷が2024年に到達する目標だという。
線幅は従来の80μm(0.08mm)から30μm(0.03mm)になり、開口率が改善する。これはスクリーン印刷が2021年に到達する目標だという。
関連記事
- 15年で壁を超えた、効率25.6%のHIT太陽電池
ヘテロ接合をさらに改善 - 紫外線を生かす「粉」、太陽電池の性能を2.2%アップ
波長変換材料 - 太陽電池は紫外線に弱い?、可視光へ変換すれば発電能力が2%アップ
波長変換材料 - やっかいな積雪を逆に利用、旭川市で始まる両面発電と融雪
両面発電太陽電池モジュール - 福島の火力発電所に太陽光を併設、東北電力が
長州産業のモジュールを採用
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.