太陽光・電気自動車・蓄電池を接続、コンテナ型の大規模品も:蓄電・発電機器(2/2 ページ)
住友商事は「スマートエネルギーWeek 2015」において、フランスSaftの蓄電池を利用した2種類の蓄電システムを展示した。出力10kWのシステムは、系統電力と太陽光発電、電気自動車、蓄電池という4種類の電力源から電力を建物に供給できる。MW級の構成が可能なコンテナ型のシステムは、再生可能エネルギーによる電力の出力変動を吸収できる。
伊豆の新島にはコンテナ型を導入
住友商事が展示したもう1つの製品は「Intensium Max型リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム」(図4)。世界標準の20フィートコンテナ(長さ約6m)を利用し、内部にモジュール構成の蓄電池を組み入れて利用する。容量(kWh)や電力(kW)、1分間のピーク放電電力など、必要な仕様を満たす構成を採りやすい。
図4にあるように同システムには3つの格納スペースがある。図4の右側には横に倒したモジュールの集合体が写っている。例えば56kWhのモジュールを10組格納すると、560kWh(1.1MW)のシステムとなる。複数のコンテナを並列に接続し、大きな電力需要を賄うことも可能だ(図5)。
同システムは世界各地に導入実績があるという(図6)。図6の中央右には「Takaoka Toko」と書かれている。これは伊豆諸島の新島(東京都新島村)における再生可能エネルギー導入拡大を目的とした実証実験を意味する。Saftは2015年2月、東光高岳向けに、Intensium Max 20M型(520kWh、1MW)を供給することを発表。これは日本国内向けの最初の導入事例になるという。中出力タイプと呼ぶ蓄電池を利用する。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「電力系統出力変動対応技術研究開発事業」は3つの内容を含む。再生可能エネルギーの出力変動の予測技術と、予測結果を使った発電・運用のシミュレーション技術、シミュレーションの精度を検証する実証実験だ。新島ではデーゼル発電網、風力発電と組み合わせて3番目の実証実験を進める*3)。東光高岳はこの実証実験にSaftの蓄電池で臨む。
*3) NEDOの実証事業には7つの組織が参加する。東京大学、早稲田大学、電力中央研究所、エネルギー総合工学研究所、東京電力、東光高岳、伊藤忠テクノソリューションズだ。
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