全員参加の工場省エネを実現する、エネルギー「見せる化」ソフト:省エネ機器
パナソニックとパナソニック デバイスSUNXは、工場などのエネルギー使用状況や太陽光発電などの再生可能エネルギーの発電状況など、エネルギー消費の変化をリアルタイムで“見せる”エネルギー見せる化ソフトを発売した。
両社が今回発売したのは、工場などのエネルギー使用状況や設備の稼働状況、太陽光発電などの再生可能エネルギーの発電状況など、エネルギー消費の状態や変化をリアルタイムで従業員などに“見せる”ことができるエネルギー見せる化ソフト「EnerVisualizeR(エネビジュアライザ)」だ。2015年4月1日に販売を開始している。
工場などの施設において、効率的にエネルギーを利用するためには、管理部門など特定の対象者だけでなく、より多くの施設の利用者がエネルギーの使用状況を把握し、省エネの意識を高めることが重要だ。そのため、より多くの場所やデバイスでエネルギーの使用状況を簡単に把握できるシステムが求められている。
今回新たに発売したEnerVisualizeRは、エネルギー情報の共有に特化したデジタルサイネージシステムで、従来は管理部門のみが把握していたエネルギー使用量などのデータを社内の各所に設置されたディスプレイに送り届けるというソフトウェアだ。
従来の同社の見える化ソフトでは、データロガーに蓄積したエネルギ―の使用ログデータの収集とグラフ表示の機能のみで、エネルギー状況の確認やデータ管理を行うには、それぞれのPCに専用ツールソフトのインストールが必要で、負担が大きかった。EnerVisualizeRは、ブラウザベースでこれらの情報を表示することが可能で、情報を表示する各端末へのソフトウェアのインストールは不要だ。さらにデータを基にグラフなどを加えた帳票を自動で作成する機能を備えており、これを基にエネルギーのムダやムラの発見、分析が行える。
また、オプションでリアルタイムドライバをインストールすることで、1分ごとのエネルギーの使用状況を確認することが可能。時間内使用量、予測値、目標値などより詳細なデータ分析を行うことができ、デマンド警報を3段階で発報できる。
パナソニックでは自社工場での実践事例をベースにした製品展開を強化している。今回の製品もパナソニック デバイスSUNXが所有する、兵庫県たつの市に位置する自社工場での省エネ活動の実績を生かしたものだ。同工場では、エネルギーの見える化システムを構築し、全員参加型の省エネ活動を開始した2005年から2013年までの8年間でCO2排出量の62%削減を達成したという。
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