アマゾンの再生可能エネルギー利用率は40%に、米に80MWの新メガソーラー建設:自然エネルギー
アマゾンの子会社でクラウドサービスを展開するアマゾンウェブサービス(AWS)は、米国バージニア州に80MWのメガソーラーを建設する。
AWSでは2014年11月に、同社の施設が使用する電力を将来的に100%再生可能エネルギーにすると宣言しているが、その達成に向けて着々と取り組みを進めているようだ。2015年6月10日(現地時間)に同社は、米国バージニア州のアッコマック(Accomack)郡に80MW(メガワット)の新しいメガソーラーを建設することを発表した。
新しいメガソーラーの名前は「Amazon Solar Farm US East」で、2016年10月から17MWh(メガワット時)の出力量で発電を開始する。この出力量は米国の家庭1万5000世帯が利用する電力量と同等で、完成すれば米国バージニア州で最大のメガソーラーになるという。ただ、このメガソーラーで生み出される電力については全て同社のデータセンターで利用する予定だとしている(図1)。
AWSでは2015年4月の段階で、グローバルの全施設が利用している電力の内、25%が再生可能エネルギーによるものだとしている(図2)。Amazon Solar Farm US Eastの稼働なども合わせ、2016年末までに再生可能エネルギー比率は40%に引き上げる狙いだ。Amazon Solar Farm US Eastは2015年1月に発表された出力50MWhの風力発電所「Amazon Wind Farm」と同様の電力購入契約となっており、これらの2つが再生可能エネルギー引き上げの鍵を握ると見られている。
インターネット関連企業のグリーン化が加速
クラウドコンピューティングの拡大によりデータセンターの電力消費量が急増している影響もあり、インターネット関連企業の“グリーン化”はここ最近加速している。特に積極的なのがアップルで、既にグローバルの全施設が消費する電力の87%、米国だけであれば100%の電力を、再生可能エネルギーで賄っているという(関連記事)。
一方でアマゾンについては、再生可能エネルギーの利用率が低いことに加え、投資意欲も低かったことから、グリーンピースの定義でも最低に近い評価となっていた(関連記事)。ただ2014年11月の“100%再生可能エネルギー宣言”以降は持続可能なエネルギーについての専用ページを用意するなど、積極的な情報発信を進めており、今回の新たな投資も含めて、徐々にこれらのイメージも変えていきたいと考えているようだ。
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