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太陽光発電の伸びが回復、2月の認定容量は291万kW:法制度・規制
固定価格買取制度のあり方をめぐって議論が巻き起こる中で、再生可能エネルギーを導入する動きは変わらずに進んでいる。2015年2月に買取制度の認定を受けた設備は361万kWに達して、2014年度に入って最大の伸びを見せた。特に非住宅用の太陽光が青森・茨城・栃木の3県で増加した。
太陽光発電は年度ごとに買取価格が下がるため、年度末の2月と3月に認定を受ける設備が急増する。資源エネルギー庁が新たに集計した2015年2月の状況を見ると、太陽光発電の認定設備が1月と比べて大幅に増加している。特に非住宅用は280万kW(キロワット)も増えて、1月の66万kWから4倍以上に拡大した。
再生可能エネルギー全体では361万kWの増加で、風力が42万kW、中小水力も19万kWと大きく伸びている(図1)。実際に運転を開始した発電設備も着実に増えて、1月に続く過去最高の90万kWにのぼった。そのうち非住宅用の太陽光が74万kWを占めている。
2月に認定設備が急増した非住宅用の太陽光では、地域ごとの差が見られる。規模が最も拡大したのは青森県で47万kWも増えた。次いで茨城県が25万kW、栃木県が24万kWと多い。この3県を筆頭に、東北・関東・中部・中国の4地域で伸びが目立つ。
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