再生可能エネルギーの導入量が少ない京都に、23MWのメガソーラー着工:自然エネルギー
京都市内にあるゴルフ場の跡地を利用して、発電能力が23MWの大規模なメガソーラーの建設工事が始まった。山間部に造られた18ホールのゴルフコースに約9万枚の太陽光パネルを設置する計画だ。2年後の2017年9月に運転を開始して、一般家庭で7300世帯分の電力を供給する。
京都市の中心部から東へ10キロメートルほどの距離にある伏見区の山中に、2013年まで営業を続けていた「京都国際カントリー倶楽部」のゴルフコースの跡地がある(図1)。この30万平方メートルを超える広大な跡地に、京都府で最大の「京都・伏見メガソーラー発電所」を建設する。
設置する太陽光パネルは約9万枚にのぼり、発電能力は23MW(メガワット)に達する。年間の発電量は2630万kWh(キロワット時)を見込んでいて、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算すると7300世帯分に相当する。発電した電力は全量を関西電力に売電する計画だ。
メガソーラーを建設・運営するのは、京セラと東京センチュリーリースが太陽光発電事業を全国に展開するために共同で設立した「京セラTCLソーラー」である。現地で6月28日に建設工事に着手して、運転開始は2017年9月を予定している。太陽光パネルは京セラ製の多結晶シリコンモジュールを採用する。
京都府には再生可能エネルギーを利用した大規模な発電所が少ない。太陽光では南部の城陽市(じょうようし)で稼働中の「京都グリーンソーラーファーム」(発電能力4.5MW)が現時点では最大だ。関西全体では兵庫県の淡路島で6月2日に運転を開始したばかりの「ユーラス津名東ソーラーパーク」の33.5MWが最も大きい。建設が始まった京都・伏見メガソーラー発電所は関西でも有数の規模のメガソーラーになる。
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