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大阪の新施設で自動デマンドレスポンス実証、スマートコミュニティの構築へ
大阪府豊中市にある「よみうり文化センター」を建て替えた新たな商業施設に、自動デマンドレスポンスシステムが導入された。関西電力からの電力需要の抑制要請に応じてバックヤード部分の空調を自動調整する。
読売新聞大阪本社と読売テレビ放送は、MID都市開発、関電不動産、関西電力の関電グループ3社(以下、関電グループ)を共同事業者とし、大阪府豊中市の千里中央駅前にある総合カルチャーセンター「よみうり文化センター」の再整備事業を進めている。このうち商業施設「SENRITOよみうり」のI期棟の一部(図2)が2015年7月1日にオープンした。その空調設備にスマートコミュニティの実現に向けた取り組みとして、自動デマンドレスポンスシステム(以下、自動DRシステム)を採用した。
自動DRシステムは関西電力から電力需要の抑制要請が発動された際に、商業施設のバックヤード部分における空調設備の設定温度を自動調整して、テナントの運営に影響を与えない範囲で消費電力を抑制する。制御機器は海外で多くの実績を持つコンバージ社の製品を国内初導入した。システムの運用・制御については施設管理を担当する関電グループのMIDファシリティマネジメントが実施する予定だ。
I期棟で自動DRシステムの実証試験を行い、その成果を踏まえて2017年春に開業予定のII期棟の商業施設と、関電グループが建設し2019年春に完成予定のタワーマンションにも同システムを導入する計画だ。(図2)。
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