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変換効率97.5%の太陽電池向け中規模パワコン、曇りでも効率運用:蓄電・発電機器
日立製作所は太陽光発電用パワーコンディショナーの製品群を拡充。日照量が少ない場合でもより多くの電力の出力を可能にする回路構成とともに、電力変換最高効率97.5%を実現する300kWモデルを発売した。
太陽光発電システムの市場拡大とともに商業施設、工場、学校の屋根や遊休地の活用などを目的とした中規模の太陽光発電の普及が進んでいる。日立製作所はこうした需要の増加に対応するため、大容量太陽光発電(メガソーラー)向けの500/660kW(キロワット)モデルに加え、新たに中規模太陽光発電向けの300kWモデルを投入した(図1)。
新たに発売した300kWモデルは日射量の変化に応じて電力の出力がピークとなるポイントで運転を行う同社独自のMPPT制御(最大電力追従運転制御)を採用するとともに、業界トップクラスの電力変換最高効率97.5%を実現している。
曇りの日など日射量が少なくてもインバータ動作が可能に
さらに特徴となっているのが、独自の回路構成である。太陽光発電モジュールからの出力電圧を安定した直流電圧に昇圧変換するチョッパ回路(直流ー直流変換回路)を設けることでパワコンの運転可能範囲を広げることを可能にした。(図2)。
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