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「水素社会」実現へ、パナソニックが普及を目指す3つの技術:蓄電・発電機器(4/4 ページ)
パナソニックは2015年7月3日、「水素社会実現」に向けた同社の取り組みについて発表。水素の「製造」「貯蔵」「利用」のそれぞれの場面において技術開発を進め、普及に貢献していく方針を示した。
家庭での分散型水素社会実現を目指す
水素社会実現に向けて参入する多くの企業が、既存のエネルギー産業の枠組みを変える大規模なエネルギーインフラの実現を目指しているが、パナソニックは既存のエネルギーインフラの代替となるような領域に進出するつもりはないという。
宮部氏は「将来的には家庭や施設などでそれぞれ必要な電力やエネルギーを賄う分散型エネルギー社会が到来すると考えている。その意味で家庭や、それぞれの施設に向けて水素の製造、貯蔵、利用が一環して行えるような技術開発を中心に進めていく」と述べている(図11)。
エネファーム、純水素燃料電池、光水素製造装置の3つの技術を核に、水素の製造、貯蔵、利用のバリューチェーンをつないでいく方針だ。
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