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水素で動く「都営バス」の実現へ、2020年東京五輪に向け実証開始電気自動車(2/2 ページ)

2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」に向け水素インフラの拡充を進めている東京都で、水素で走る燃料電池バスの走行実証が始まる。実証を重ね、2020年のオリンピックでは選手村や会場への輸送手段として燃料電池バスを利用したい考えだ。

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都市部と臨海地域を走行

 今回の走行実証は都営バスの営業所を起点とし、営業運行ではない実験・回送運行となる。走行ルートは都心部(図2)と臨海地域(図3)の2つの路線バスルートが中心となる。都心部を走行するのは2015年7月27日と30日、臨海部は同28日と30日の予定だ。なお水素ステーションは、2015年4月に東京都港区に完成した「イワタニ水素ステーション 芝公園」を利用する見込みだ(関連記事)。

図2 都心ルート/図3 臨海ルート(クリックで拡大)出典:東京都

 水素で走る燃料電池バスとなれば、気になるのは走行距離。トヨタはこのFCバスを利用して2015年1月に愛知県豊田市で実際の路線を利用した走行実証を行っている。その際にトヨタは走行距離について「水素を満充填した場合、社内測定値で約150kmの走行が可能」としていた。

 とはいえ東京などの都市部では渋滞や車線変更なども頻繁に起こる。今回の走行実証ではこうした大都市特有の交通事情に応じた水素の消費量やFCバスの操作性などを検証する。将来的に都営バスとしてスムーズに導入できるよう、こうした実証で得たデータをトヨタなどにフィードバックし、車両開発に生かしてもらう狙いだ。

 こうした走行実証の他、2015年7月25日には江東区の「東京都環境科学研究所」でFCバスに搭載されている外部電源供給システムの公開給電実証も行われる。災害などの非常時を想定した実証になるという。

 同年7月21日に会見を行った東京都知事の舛添要一氏は「2020年のオリンピック・パラリンピックの際に、東京を訪れた方々に水素社会の到来を実感してもらうためにも、選手村や会場への輸送手段に燃料電池バスを活用したい」としている。

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