太陽光発電の遠隔監視、“見える化”と出力制御を一体に:電力供給
2015年4月から一部電力会社の管轄内では太陽光発電設備を設置する際、パワーコンディショナーに遠隔制御機能の取り付けが義務化された。これを受けNTTスマイルエナジーは、同社の低圧向け太陽光発電設備の遠隔監視サービス「エコめがね」シリーズにおいて、出力制御に対応した新製品を発売する。
NTTスマイルエナジーは50kW(キロワット)未満の低圧向け太陽光発電遠隔監視サービス「エコめがね」を提供している。同社はこのほど太陽光発電の出力制御と遠隔監視サービスの一体化を図るため、「エコめがね全量モバイルパック」に新しく「エコめがね全量モバイルパック パワコン接続タイプ」を追加した。発売は2015年10月を予定しており、価格や詳細な仕様について同年9月に決定する。
東京電力、中部電力、関西電力以外の電力会社管内では、2015年4月から太陽光発電設備に出力制御機能を備えていることが設備認定の条件となっている。既に設備認定を取得している設備でも、接続協定の条件としている電力会社エリアがある。これらに対応するためには遠隔監視サービスなど他のサービスとは別に、出力制御に対応したパワコンおよび制御機器の導入や通信手段の検討などが必要だ。発電事業者にとっては設備の導入コストの負担が大きくなる。
これらの課題に対し、今回NTTスマイルエナジーが追加する同パワコン接続タイプの遠隔監視サービスは、オムロン製のパワコンを対象に、通信回線付き遠隔監視装置の中に発電制御機能を内蔵してオールインワンパッケージとして提供する。1〜12台のパワコンにRS485通信で直接接続することにより、パワコンが計測した電力量情報を取り込むことが可能だ。これによりさまざまな規模の低圧設備やパワコン増設への対応が同機器1台で行えるようになる(図1)。
パワコン接続タイプに含まれる主な機器は新型エコめがねセンサー、3Gルーター、電源タップ、サーキットブレーカーなど。中核となる新型エコめがねセンサーは蓄電池やスマート家電などとの接続・制御をはじめ、クラウドとの連携を前提としたサービス提供基盤として開発している。
なお、制御の詳細については現在電力会社で検討されており、決定次第、出力制御機能の自動ファームウェアアップデートにより対応する。アップデートには追加費用は不要で設置現場での作業、追加機器の設置も必要ない。オムロン製以外のパワコンへの対応については各メーカーとの協議し、順次対応していく予定だ。
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