ニュース
ソーラーパネルを引いて押すだけ、作業時間半減のパナソニック新工法:PVJapan2015(2/2 ページ)
パナソニックは2015年7月29〜31日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている太陽光発電関連の展示会「PVJapan2015」に出展し、同社の太陽光発電システムの設置における新工法をアピールした。
設置作業時間低減の仕組みは?
住宅用の太陽電池モジュールの設置は、足場の建設など作業前準備を除くと主に以下のような工程で行われる。
- 墨出し
- 金具の取り付け
- 架台フレームの地上作業
- 架台フレームの屋根金具への取り付け
- 太陽電池モジュールの取り付け
PS工法では、墨出しや金具の取り付け、架台フレームの地上作業工程などについてもネジ止め本数の削減などで作業時間の低減を実現しているが、最も作業時間低減につながっているのが太陽電池モジュールの取り付け工程だ。
太陽電池モジュールの取り付け工程は、レール状の架台フレームと独自の3種類の金具により、太陽電池モジュールを差し込むだけで設置することが可能となる(図3)。
差し込んで金具にはめ、最後に固定用の金具をハンマーで打ち込むだけで固定できるため、電動トルクドライバーやトルクレンチなどが必要ない。この工程だけを見れば、同社の模擬屋根での現行工法と比較した場合「作業時間を約6割削減できた」(同社)としている。
PS工法における太陽電池モジュールの設置工程の様子。従来工法に比べて大幅に簡単で、必要な道具も少なくてすむ。
太陽電池は、固定価格買い取り制度による買い取り費用の低下が進んでいることから、住宅用での分散型エネルギーシステムの構築に注目が集まっている。住宅向けでの継続的な普及拡大を進めるためには、施工の手間や施工品質が大きなポイントとなっており、新工法による施工負担の軽減は、太陽電池モジュールの製品力につながる。
関連記事
- 新工法でモジュール間の幅4分の1・工期半減へ、パナソニックの新HIT太陽電池
パナソニック エコソリューションズ社は太陽光発電システムの長期使用を目指し、基本性能の発電の向上とともに信頼性を高めた住宅用太陽電池モジュールHITの新製品を2015年7月23日に発表した。 - 「狭い屋根でたくさん発電」が好調、パナソニックが太陽電池を増産へ
パナソニックは2015年5月18日、太陽電池事業についての説明会を開催。以前から推進する「国内・屋根置き・創畜連携」などを重視する方針の下、国内市場での販売が好調を続けており、新たに島根県および滋賀県で生産する太陽電池モジュールを増産することを発表した。 - シャープが「直流家電」実用化へ、AC/DC切り替え機能を持つエアコンなどを開発
シャープは、「直流家電」の実用化に向けて取り組みを本格化させる。AC/DC切り替え機能を持つエアコンやこれらを制御するHEMS、蓄電池システムなどを開発。実用化に向けた取り組みを進めていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.