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CO2排出ゼロの火力発電所、2035年に商用化へ蓄電・発電機器(2/2 ページ)

NEDOは、発電時に発生する二酸化炭素をほぼ全量回収し最先端の石炭火力発電所と同水準の42%の発電効率を達成する次世代型石炭ガス化複合発電システムの開発を開始する。2035年に商用化を実現する計画。

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次世代IGCCの仕組み

 NEDOが新たに開発に着手する次世代IGCCシステムは、効率化などへの取り組みとともに新たな仕組みを導入。排ガスCO2の一部を系統内にリサイクルし、排ガス中のCO2純度を高めることにより、CO2回収時に大きなエネルギーロスとなっていたCO2分離回収工程を不要とする形にする。

 まず、2015〜2019年度では、IGCCシステムの基幹技術であるガス化炉、ガス精製装置、ガスタービンの開発を中心に進め、送電端効率42%(HHV)を見通すための要素技術の確立に取り組む。

 具体的には、1日当たりの石炭処理量50トン規模の石炭ガス化炉にてO2/CO2ガス化技術を実証するとともに、1日当たりの石炭処理量が3トン規模の小型ガス化炉において幅広いCO2濃度範囲でCO2がガス化反応に及ぼす影響を解明する。また、これらの生成ガスによる試験により乾式ガス精製システムの検討を行う。さらに燃焼器試験や数値解析等によりセミクローズドガスタービンシステムの設計などにも取り組む(図3)。

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図3 従来方式のCO2分離回収型IGCC(上)と新たにNEDOで研究を開始するCO2回収型クローズドIGCCの仕組み(下) 出典:NEDO

 委託予定先としては、電力中央研究所、三菱重工業、三菱日立パワーシステムズを計画。事業総額は約45億円。実機に近いサイズの要素技術検証を実施することで、基盤技術をより確実な技術として発展させ、2035年頃の商用化を目指す。

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