再生可能エネルギーの関連サービス市場が急成長、2020年には4000億円規模に:自然エネルギー(2/2 ページ)
調査会社の富士経済は再生可能エネルギー発電システムと関連機器・サービスの国内市場調査の結果を発表。発電システムそのものの市場は今後数年間で縮小する一方で、関連サービス市場についは2020年に2014年比3.1倍となる4199億円に拡大すると予測している。
関連サービス市場は2020年に3.1倍に拡大
続いて2014年度の再生可能エネルギー関連サービスの市場は、太陽光、バイオマス、風力、水力発電関連サービスの4分野合計で1339億円となった(年間サービス料が集計対象)。太陽光発電関連サービスが641億円、バイオマス発電関連サービスが439億円と高い割合を占めている。2020年度は各関連サービスが伸びて、2014年度比3.1倍の4199億円に拡大すると予測している(図2)。
太陽光発電関連は遠隔監視やメンテナンスのサービスなどがけん引し、2014年度比4.3倍の2773億円に。一方、バイオマス発電関連サービスは同84.1%増の808億円が予測している。しかし発電システム市場の縮小により、サービス需要の伸びは太陽光や水力発電関連と比べて小さくなる。水力発電関連サービスは2014年度時点では36億円と規模が小さいが、2020年には同6.5倍の235億円にまで拡大する見込みだ。
サービス別では、2014年度時点は太陽光・風力発電関連のリースが占める割合が高い。太陽光発電関連のリースは、金額や容量ベースでは500〜2000kW未満が中心だが、補助金制度を背景に件数ベースでは50kW未満も増えているという。風力発電関連のリースはリスクの定量化が難しいため、太陽光と比べると参入事業者が少ないものの1件当たりの金額が大きいため、今後も高い伸びが期待できるとしている。
水力やバイオマス発電関連ではメンテナンス関連サービスの割合が高く、2014年度は水力発電関連の8割弱、バイオマス発電関連の9割以上を占めた。水力発電関連のメンテナンスは固定買取価格制度の開始、大幅な案件増に伴う人手不足により、サービス単価が上昇傾向にあるという。バイオマス発電関連のメンテナンスのサービス単価は2014年度でkW当たり3万円以上と、他の発電関連と比べて最も高いとしている。
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