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砂丘の町が電力小売開始へ、鳥取市の新電力「とっとり市民電力」が始動:電力供給サービス
地方自治体の新電力への参入が相次ぐ中、新たに鳥取市と鳥取ガスは、新電力である「とっとり市民電力」を2015年8月24日に設立した。エネルギーの地産地消の実現を目指す。
鳥取市と鳥取ガスは、新電力として「とっとり市民電力」を設立したことを明らかにした。2016年4月の電力小売り完全自由化と合わせて電力販売を開始する。
鳥取市では2013〜2014年度に総務省の「分散型エネルギーインフラプロジェクト」に産学金官で「鳥取環境エネルギーアライアンス」を設立するなど連携して取り組み、新たなエネルギー産業の創出や電源開発等の調査・検討などを行ってきた。
これらで得た知見を生かし、2016年4月の電力小売り全面自由化に向け、地域エネルギー会社「とっとり市⺠電力」を2015年8月24日に設立した。とっとり市民電力は、資本金は2000万円で、鳥取ガスが90%、鳥取市が10%の出資を行っている。鳥取ガスによる都市ガスでの発電の他、太陽光発電や廃棄物発電、バイオマス発電、小水力発電などから電力を調達し、地域に販売していく。新会社を核とし、エネルギーの地産地消を進め、地域内での経済循環が行われるようにすることで、地域経済の成長につなげていく方針だ(図1)。
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