新製品「Q.PLUS―G4.1 270」(公称最大出力270W)は、独自開発の「Q.ANTUMセル技術」を用いたセルを搭載し、従来の住宅用太陽電池モジュールに比べ、低照度特性、温度係数(温度変化に対する出力の低下率)が向上している。
Q.ANTUMセル技術は、特殊なナノコーティングが施されたセルの裏面により、無駄になっていた太陽光のエネルギーを、セル内に閉じ込める技術。それにより活用度を高め、より多くの電気を生み出すため、晴天時だけではなく、日射しが弱い環境(曇り、朝夕、秋から冬、東西設置など)でも、発電ロスを抑え、高い発電能力を維持することが可能だ。
1年を通して利用する太陽光発電システムでは、日射量が少ない時間帯を有効活用でき、気温上昇などにも強く、多く発電できることは重要なポイントとなる。新製品はこれらの特性による「実発電量」が多いことで、年間を通して利用者に高い付加価値を提供する。また外観もダークセルにブラックフレームと、日本の住宅の屋根に、より導入しやすい製品となっている(図1)。
なお、270Wタイプに加えて、同275Wタイプの「Q.PLUS―G4.1 275」も近日中にラインアップに加える予定だ。
ハンファQセルズジャパンは1984年に韓国最大手企業であるハンファグループの日本法人として設立。太陽光発電関連事業(太陽光モジュール輸入販売、IPP事業)をはじめ化学品、鉄工、機械・設備、自動車部品、IT関連機器など、多分野にわたる基幹産業のアジア諸国間での輸出入業務と日本市場での販売事業を展開している。日本の太陽光事業に参入したのは2011年。ハンファグループが2012年に買収したドイツのソーラーパネルメーカーQセルズの技術力を生かした太陽光モジュール、システム開発・生産・販売、発電所事業など幅広い分野でビジネスを展開している。日本向け出荷量の累計は1.7GW(2015年7月現在)。
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