旅館と発電事業者がタッグ、出力1.55MWのメガソーラーを設置:太陽光
大分県竹田市に出力1.55MWのメガソーラー「竹田希望ヶ丘丘太陽光発電所」が完成した。同発電所の設置は竹田市で旅館経営などを営む翡翠(かわせみ)倶楽部と、再生可能エネルギーによる発電事業を手掛ける自然電力によるもので、地域企業が深く関わったプロジェクトだという。
旅館経営などを行う翡翠(かわせみ)倶楽部(大分県竹田市)と自然電力(福岡市)が設立した合同会社、希望ヶ丘ミドリエコパークが2015年4月に着工した大分県竹田市のメガソーラー「竹田希望ヶ丘太陽光発電所」が完成し、このほど売電を開始した(図1)。
同発電所のモジュール配置面積は1.67ヘクタール、年間総発電量は189万3000kWh(キロワット時)で、発電出力は1.55MW(メガワット)となっている。設計・調達は自然電力グループのjuwi(ユーイ)自然電力が担当し、建設およびO&M(運営・保守)はデンケン(大分県由布市)が実施している。
翡翠倶楽部は旅館業および日本料理店を経営しており、宿坊翡翠之庄を中心に2軒の宿泊所、4軒の料理店など幅広く事業を展開している。このプロジェクトは、かねてより地域における再生可能エネルギー発電事業へ関心の高かった翡翠倶楽部のプランに、自然電力が企画・開発として携わることで実現した。このプロジェクトには地域企業が多く関わっているのが特徴で、ファイナンスにおいては大分県大分市に本拠を置く豊和銀行から融資を受けている。
自然電力は2011年6月に設立し、太陽光・風力・小水力などの自然エネルギー発電所の発電事業(IPP)、事業開発・資金調達事業などを展開している。国内で累計700MW(2015年8月末時点)の太陽光発電事業に携わった実績を持つ。2015 年からは風力・小水力事業にも本格的に推進している。竹田希望ヶ丘太陽光発電所は自然電力グループ9件目の太陽光発電所となる。
なお、ユーイ自然電力は自然電力と、世界有数のEPC企業であるドイツのユーイ社が、2013年1月に設立した国際ジョイント・ベンチャー。ユーイは太陽光、風力を合わせ、国内外で累計約3200MWの発電設備のEPC実績がある。
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