成長鈍化の国内ソーラー市場、京セラが描く“次の一手”は需給調整の収益化:エネルギー管理(3/3 ページ)
電力需給がひっ迫した時に電力消費を“自動”で削減できる技術として期待されている「自動デマンドレスポンス(ADR)」。ADRの実証事業に注力している京セラは、東京都内で会見を開き同社のADRへの取り組みの概要と今後の方針について説明。ADRをサービスとして提供し、自社のエネルギー関連事業をさらに強化していく方針だという。
京セラ独自の総合エネルギー管理システムの開発へ
京セラは太陽光パネルやLED照明、蓄電池などのエネルギー関連機器や、ネットワークを通じてこれらをマネジメントするEMS、さらには発電設備の運用保守(O&M)など、既に幅広い領域でエネルギー関連事業を手掛けている。2016年度には新型の燃料電池の市場投入も予定している。同社がADRの技術開発に注力している背景には何があるのか。
その理由について京セラ エネルギーシステム研究開発部 草野吉雅氏は「既に展開している京セラのエネルギー関連ビジネスに、さらにADRのようなエネルギーのネットワーク化を実現するサービスを加えることで、京セラ独自の総合エネルギー管理システムを提供していきたいと考えている。OPEN ADR」と述べる。
同社ではこの総合エネルギー管理システムを「POM SYSTEM」(図5)と呼んでおり、太陽光発電設備の設置やO&Mから、データ分析、自動制御といった既に市場投入している製品やサービスに、さらにADRなどの付加価値サービスを加えて一括提案できるようにする狙いだ。国内のメガソーラー市場の成長鈍化が見込まれる中(関連記事)、ADRが普及すれば京セラの既存の顧客に対して付加価値を生むネットワークサービスを提供したり、ADRで利用できる蓄電池、太陽光パネル、HEMSといった関連製品の販売促進したりといった効果が見込める。
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