気象予報から太陽光発電量を予測し、蓄電システムを最適制御するHEMS:電力供給サービス
太陽光発電は天気によって発電量が大きく変動する。NECは気象予報から翌日の太陽光発電量を予測し、NEC製小型蓄電システムの充電タイミングを最適に自動制御するクラウド型HMESを発表した。
NECは住宅メーカーや太陽光発電メーカーなどの事業者向けに、気象予報から太陽光発電量を予測し、蓄電システムを自動制御するクラウド型HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)をこのほど発売した(図1)。
新製品は気象予報から翌日の太陽光発電量を予測し、NEC製小型蓄電システムの充電タイミングを自動制御する。例えば翌日の気象予報が曇りの場合、日中の太陽光発電量が少ないと想定されるため、前日の深夜電力を使い充電を行う。
これにより、エネルギーの自給自足のための蓄電システムの効率的な利用を実現する太陽光発電や安価な深夜電力などのエネルギーを蓄電システムに効率的に貯蔵・利用することで経済性向上に貢献する。
また、リビングやキッチンなどブレーカごとの電力消費量の計測に加え、スマートメーターから家全体の正確な電力消費量データの受信が可能(Bルート対応)。計測したデータは瞬間値の他、日別、月別、年別などさまざまな集計が可能なため、省エネ意識の向上につながるという(図2)。
さらに、クラウドに蓄積した電力消費量や太陽光発電量などを集計・加工した傾向データを活用することで、住宅メーカーや太陽光発電メーカーなどの事業者が新たなサービスを創出が図れる。価格はオープンで、出荷開始は2015年11月下旬を予定している。販売目標は3年間で10万台だ。
このところ、化石燃料や太陽光、水力などから得られる一次エネルギー消費量を実質で年間ゼロにする「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」が高い注目を集めている。ZEHの実現には、家庭内のエネルギーを効率的に利用する必要があるため、エネルギー創出・消費の見える化が重要となる。
また、エネルギー消費効率を向上させるために、政府が2030年までにHEMSを全世帯へ普及させる目標を掲げるなど、HEMSのさらなる普及に向けた動きが加速している。NECは、エネルギー創出・消費の見える化に加え、気象予報から太陽光発電量を予測し蓄電システムを自動制御する機能などを備えた新製品を事業者に拡販することで、ZEH実現へ向けたエネルギー効率向上に貢献することを目指すとしている。
なお新製品は今後、電力測定機能を有する他社製機器への対応を可能にしていく。第一弾としてオムロン製住宅向け太陽光発電用計測ユニットとの連携を計画している。
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