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太陽光と廃棄物からエネルギーを地産地消、分散型の電力125万kWへエネルギー列島2015年版(27)大阪(3/4 ページ)

大阪府は原子力発電の依存度を低下させるためにエネルギーの地産地消を推進する。太陽光と廃棄物による発電設備を中心に分散型の電力源を125万kW以上に増やす方針だ。池や海の水面上にも太陽光パネルを展開しながら、都市部では廃棄物を利用したバイオガス発電を拡大していく。

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フロート式の水上メガソーラーが稼働

 大阪府は全国で2番目に面積が小さいが、農業用のため池は1万カ所以上もある。特に農業が盛んな中部から南部にかけて数多く点在している。その中に面積が広くて正方形に近い、太陽光発電には打ってつけの池がある。

 岸和田市の「傍示池(ほうじいけ)」には、満水時に1万6000平方メートルの水面が広がる。この四角い池に4000枚の太陽光パネルが浮かんでいる(図6)。住宅メーカー大手の大和ハウスグループが池の水面を借り受けて、2015年8月に発電を開始した。


図6 「DREAM Solar フロート1号@神於山」の全景(上、画像をクリックすると拡大)、建設前の完成イメージ(下)。出典:大阪府環境農林水産部、大和リース

 発電能力は1MWで、大阪府では初めての水上メガソーラーだ。年間の発電量は120万kWhを見込んでいて、330世帯分の電力になる。大和ハウスグループは池の使用料に加えて、売電収入の一部を大阪府と岸和田市に寄付して地域の環境保全に貢献する。

 傍示池のメガソーラーを建設するにあたっては、事前に太陽光パネルを浮かべるためのフロートと架台を試作して発電量や防水性を検証した(図7)。水上でメガソーラーが稼働したことで、今後さらに実証データをとりながら改良につなげていく。


図7 水上に設置する架台(左上)、フロート(右上)、太陽光パネル(下)。試作・検証時点。出典:大和リース

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